読書の秋、運動の秋、食欲の秋。秋はそれぞれの楽しみ方があるけれど、私にとっての秋は
「お菓子作りの秋」だ。
暑すぎず、寒すぎず、ちょうどいい気候。この季節には、なんだか焼き菓子を作りたくなる。
特にパウンドケーキは、時間がたつごとにしっとりと味が染みて、秋にはぴったりのお菓子だ。
Contents
お値打ちな栗との出会い
そんな秋のある日、スーパーの「お値打ち品コーナー」で、栗と目が合った。
大ぶりの栗がたっぷり400g。しかも198円のシールが貼られている!思わず手に取り、じっくりと栗を眺める。
「これ、かなりのお買い得だぞ」
明日は予定があるけれど、この栗に出会えるのは今日だけの気がする。「うちに来る?」と心の中で声をかけ、その栗をカゴに入れた。
手作りの「栗の渋皮煮」でお菓子を作る
栗をじっくりと煮て、渋皮を丁寧に取り除くのは時間はかかる。でも、その分だけ愛情がこもるし、いつしか、その工程も楽しみのひとつになる。
何度も茹でこぼしながら、ふっくらとした栗が煮上がっていく様子を眺めていると、なんだか心も落ち着いてくる。手間をかけて丁寧に作った渋皮煮だからこそ、栗そのものの甘みが引き立ち、口の中でほろりとほぐれる食感がたまらない。
そんな渋皮煮を使ったパウンドケーキを焼くとき、その甘さとほろ苦いキャラメルの風味が絶妙に調和する。栗を生地に混ぜ込むたび、キッチンに秋の香りがふんわりと漂い始める。この一手間かけた栗とキャラメルのマーブル模様が、パウンドケーキにさらなる深みを与えてくれる。
栗とキャラメルのマーブルパウンドケーキのレシピ
材料(17cmパウンド型)
【パウンド生地】
・薄力粉 100g
・ベーキングパウダー 3g
・ビターキャラメルパウダー 20g
・無塩バター 100g
・きび砂糖 80g
・卵 2個
・栗の渋皮煮 8粒
【シロップ】
・水 30g
・グラニュー糖 15g
・ラム酒 30g
作り方
- バターを室温に戻し、泡立て器でクリーム状になるまで混ぜる。そこにきび砂糖を加えてさらに混ぜる。
- 卵を一つずつ加え、よく混ぜる。
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるいながら、生地に少しずつ加える。軽く混ぜ合わせてから、ビターキャラメルパウダーを加えてさっくりと混ぜる。
- 渋皮煮を粗く刻み、均一に生地に混ぜ込む。
- 生地をパウンド型に流し込み、180℃に予熱したオーブンで40分ほど焼く。
- シロップの材料を鍋に入れ、中火で煮立ててシロップを作る。火を止め、冷ましておく。
- 焼き上がったパウンドケーキを型から外し、熱いうちにシロップをたっぷりと塗る。
出来上がり
オーブンに生地を入れてからの時間もまた格別だ。「どんな風に仕上がるかな」と期待を込めながら、コーヒーを淹れて待つ。じんわりと広がるキャラメルの香ばしい香り。オーブンからふわっと漂ってくるその香りが、まるで家中を優しく包んでくれるようだ。
焼き上がったケーキにラム酒のシロップをたっぷり塗れば、しっとりとした食感に仕上がり、風味も一層豊かになる。焼きたてはもちろん、翌日、さらにその次の日と、味わいが増していくのがパウンドケーキの魅力。少しずつ切り分けて、家族や友人とシェアする時間が何よりも楽しい。
パウンドケーキは日持ちがするので、手土産にも最適だ。秋の味覚がぎっしり詰まったこのケーキ、ささやかな贈り物にも、季節のご挨拶にもぴったりの一品になるだろう。
『お菓子が紡ぐ物語』 Hachiko
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