朝の光が差し込む台所。カーテン越しに揺れる木々が、そろそろ秋の訪れを知らせてくれるような優しい風を運んでくる。
少し冷んやりとした空気の中、いつものように、何かお菓子を焼こうと思い立つ。今日は、少し特別なマドレーヌを作ることにしようと思う。
Contents
いつものマドレーヌを少し特別にするお花の魔法
マドレーヌは、いつ作っても安心感のある味で、シンプルさが魅力の焼菓子だ。
ただ、いつもとは違って、少し特別な香りを加えたくなった。冷蔵庫の奥にしまってあったローズシロップだ。それを思い出し、今日はローズの香り漂うマドレーヌに仕上げよう思った。
バターを溶かし、卵と砂糖を泡立てる。泡立て器を手に持ち、生地が白っぽくなるまでしっかりと混ぜていく。リズムよく回す泡立て器の音が心地よく響く。この静かな時間が好きだ。
次に、ふるった薄力粉を加え、ゴムベラで優しくさっくりと混ぜる。生地が整っていく感触が手に伝わってくるのは、いつもながら心が落ち着く瞬間だ。
そこに、冷やしておいたローズリキュールをそっと加えると、ふんわりと甘く華やかなバラの香りが広がる。優雅でちょっと贅沢な香りに包まれ、思わず深呼吸したくなる。これで、ただのマドレーヌが、少し大人の味わいになるはずだ。
型に生地を流し込み、オーブンへ。焼きあがるのを待つ間に、ホワイトチョコを湯煎で溶かし始める。チョコが溶けるたびに、甘い香りが漂ってくる。焼きあがったマドレーヌを取り出し、粗熱を取る間、窓の外を見ると、風に揺れる葉が秋の陽射しにキラキラと光っている。
マドレーヌが冷めたところで、縦半分をホワイトチョコでコーティング。真ん中にエディブルフラワーを一輪飾ると、なんとも可憐な姿に仕上がった。まるで小さな花束のようだ。これなら、贈り物にしても喜んでもらえそう。
🌹ローズ香るマドレーヌ🌹
材料(ミニサイズ15個分)
- 無塩バター:50g
- 砂糖:50g
- 卵:1個
- 薄力粉:50g
- ベーキングパウダー:小さじ1/2
- ローズリキュール:10g
- バニラエッセンス:少々(お好みで)
- ホワイトチョコレート:50g(仕上げ用)
- エディブルフラワー:適量(仕上げ用)
下準備
- バターを溶かして冷ましておく。
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるっておく。
- オーブンは180℃に予熱しておく。
作り方
- ボウルに卵、砂糖を加え、白っぽくなるまでよく混ぜ合わせる。
- ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加え、さっくりと混ぜる。
- 溶かしたバターを加え、全体がなじむまで混ぜる。
- ローズシロップを加え、軽く混ぜる。
- 生地をラップで覆い、冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
- 生地を型7分目まで流し入れる。
- 予熱したオーブンで180℃で10〜12分焼く。
- 焼き上がったマドレーヌを型から外し、粗熱を取る。ホワイトチョコレートを湯煎で溶かし、マドレーヌを縦半分だけチョコレートにディップしてコーティングする。
- ホワイトチョコが固まらないうちに、エディブルフラワーを飾る。ホワイトチョコが固まるまで冷蔵庫で冷やして仕上げる。
焼きたてのマドレーヌ
焼きたての、ローズの香りが漂うマドレーヌをひとくち。口の中に広がるローズの風味と、ホワイトチョコの甘さが絶妙に調和する。
ささやかな秋の贅沢を、手のひらに感じる瞬間だった。ひんやりとした空気の中で、優雅なひとときを味わいながら、心まであたたかく満たされていく。
こんな穏やかな時間こそ、季節の移ろいを感じさせてくれる贅沢なのだと、しみじみ思う。
『お菓子が紡ぐ物語』 Hachiko
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